屋外の柱について。
外部環境によって異なりますが、屋外に柱を設ける上で想定する必要があることの一つに 腐食 があります。
柱の腐食とは、柱の内部や外部が腐ってしまい、スカスカな空洞になることです。
雨が降った後、乾燥し難い状態が続くと腐食は進行します。
上からの荷重を土台や基礎に伝えることが柱の役割ですが、空洞のある柱ではその役割が果たせず、建物が部分的に下がるなどの影響を引き起こします。
今回の工事では、まだ柱の芯は僅かに残っており、荷を受けていました。
そこで傷んだ柱の足元を 根継ぎ して補強します。
梁を持ち上げたいところですが、軒天で隠れていた為、柱自体を持ち上げました。
ボルトを貫通させて、同材を抱き合わせます。
この材を持ち上げることでジャッキアップ。
柱に掛かる負担を移行します。
根継ぎ後の写真です。
同形の両部材を組み合わせ、栓を差して固定します。
釘などの金属を使用しないので錆びることもなく、見た目も美しく仕上がります。
新たな柱は着色せず、素地そのままの風合いを活かしました。
工事完了です。
最近では台風の大型化や通常の雨風の強さも増して、被害を受ける住まいを目にします。
屋外にある柱や外壁・屋根などは、暑い日差しに耐え、雨からも室内を守っているため、劣化が進みやすいことも事実です。
維持・メンテナンスは大切です。
住まい手の皆様には不具合が起きる前に気づけるように、日頃から観察していただきたいと思います。